• 大倉

記憶力と思考力

徐々に日も長くなってきたように感じられます。学生の皆様はそろそろ新しい生活リズムに慣れてきたころでしょうか。私は増えてきた白髪にげんなりとしております。


中学生の皆様は、もう新しい教科書に一通り目を通してもらったかと思います。中2、中3生は特に大変でして、習っていないのに習ったことにされている語句や文法がたくさんあります。一応学校の方でも移行措置ということで対応はされているとは思いますが、それにしても量が多いので、全て完全に網羅することは難しいのではないかと思います。結局自分でやるしかないのですが、一体何をしていいものやらと困ってしまいますね。

困るのは中2,3生だけではなく、実は中1生も困ったことになっています。いきなり大量の語句を覚えさせられる上に、小学校で習った語句もモリモリ出てきます。去年まではそうでもなかったのですが、今年からはとにかく覚える量が膨大になります。頑張ってください。


私は覚えるという作業があまり好きではありません。というのも、それは学習ではなくて作業だからです。つまらないんです。つまらない上に、覚えたからと言って直接点数に繋がるわけでもありません。そんなもん、好きになるはずもないですね。


明治以来日本の学校教育では、知識を覚えることが重視されてきました。それが平成、令和になって、ただ覚えるだけではなく使えるようになりましょう、という方向に徐々に変わってきました。それが今回の教科書改訂にも大いに表れているように思いますが、記憶力と思考力はどちらか一方を取るものではなく、両立するものです。仮に去年までは記憶力のみで何とかなっていたとすると、今年からはそこに思考力も乗っかってくることになります。将来より良い社会人になり、より社会に貢献できる大人にするための改訂ですが、生徒からすると負担が増えただけなんですね。逆に、負担が少ない時代に学生生活を送ってきた我々大人からすると、あまり良い社会人ではないぞ、社会に貢献できてないぞと言われているような気がして、ちょっぴり悲しいです。


多くの人は、覚えた知識を使って何かを考えます。知識の上に思考を乗せます。なので、知識がない状態では何かを考えることすらできません。ただ単に思考力を養うと言うのは簡単ですが、であるならば同時に記憶力も養わなければいけません。教科書だけにそれを求めるのは酷なので、そこで学校の先生や我々塾講師が頑張るわけです。よりよく覚えられ、よりよく考えられる授業を展開することを考えなければいけないのです。


では、よりよく覚えるためにはどうしたら良いのでしょうか。理科社会ならまだ分かります。難しい歴史や税金の話や化学変化の話を、なるべく身近なものを例に出して、あれは実はこういうことなんだよという話をしてもいいでしょうし、自分が経験したバカな失敗談を面白おかしく話してもいいと思います。ですが、英単語を覚えるということについてはどうでしょう。英単語を一つ一つ面白おかしく覚えさせる人を、私は知りません。


当塾では、単語の問題集をひたすら繰り返しています。芸のない話ですが、そうする以外ありません。教科書を読んで勝手に覚えられる子はそれでいいですが、何度読んでも何度書いても覚えられない子もいます。そういう子に対しては、満点を取れるまで何度も何度も繰り返させます。そうやって苦労して覚えたところで、それだけでは点数には繋がりません。ですが、覚えなければ点数を取ることはできません。単語を書けるようにするということは、点数を取るための大前提です。もちろん、授業の時間をそれだけのために費やすことはしません。授業は授業で、当塾に来ないとできないことをしています。たっぷり時間を使って頑張って覚えるという作業は、授業外の時間を使ってやってもらっています。


何かを覚えるという作業は、結局のところ脳のトレーニングだと思っています。将来何の仕事に就くかは分かりませんが、今学校で習っている知識をそのまま仕事に使うことはほとんどないと思います。しかし、トレーニングを重ねて何かを覚えるという力をつければ、それはきっと将来役に立ちます。今覚えた英単語や公式は、受験が終われば忘れてしまっても構いません。ですが、こうやって頑張って覚えたんだという経験は忘れないでいてほしいですね。おじさんはそう思います。



先日早めに退勤できた日がありまして、帰宅ついでに碧南の広藤園さんに寄って行きました。今年は開花が早めだそうですが、相変わらず見事な藤棚でした。夜だったのでクマバチに襲われることもなく、堪能できました。皆様も是非。



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